対象となる主な疾患

Medical Info

  • 食物アレルギー

    食物アレルギーの原因として卵、牛乳、小麦が全体の7割ほどを占め、それ以外に木の実類、ピーナッツ、果物類、魚卵、甲殻類などがあります。典型的な即時型症状では、摂取後15分から2時間以内に蕁麻疹や咳、喘鳴、嘔吐、下痢が引き起こされます。

    当院では疑われる食物の摂取状況と症状を確認のうえ、血液検査(特異的IgE抗体検査)などを参考に診断を行います。原因食物の種類や年齢、重症度に応じて治療を検討し、年齢を経るにつれ改善が期待できる場合には部分除去もしくは完全除去を行いながら自然治癒を待つこととしています。

    即時型症状以外にも、食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎、食物依存性運動誘発性アナフィラキシー、口腔アレルギー症候群、新生児乳児消化管アレルギーがあり、それぞれ症状や発症年齢、原因食物に特徴があります。気になる症状がありましたら、ご相談ください。

  • アトピー性皮膚炎

    アトピー性皮膚炎は痒みのある湿疹が、軽快と悪化を慢性的に繰り返す病気です。皮膚は乾燥しやすく、頬や額、関節の内側に湿疹があり、アレルギー疾患の既往や家族歴があるなどが特徴です。血液検査で重症度の評価や悪化因子の確認を行うこともあります。

    治療では➀皮膚の清潔と保湿、②薬物治療、③悪化因子の除去が大切です。ステロイド外用薬が治療の基本となりますが、薬の副作用を避けながら皮膚を良い状態に保つためプロアクティブ療法や、ステロイド外用薬以外にJAK阻害薬やPDE4阻害薬、タクロリムス軟膏を選択しています。

  • 気管支喘息、アレルギー性鼻炎

    気管支喘息の治療は、➀発作時の適切な治療(=気管支を拡げて呼吸苦を改善する治療)と、②発作の頻度・重症度に応じた普段からの治療(=気道のアレルギー性炎症を抑えて発作を起こさない治療)、③喘息悪化因子を減らすための環境整備が大切です。

    当院では、特に②と③に重点を置いて診療を行っています。パンフレット等を用いて説明させていだきます。 アレルギー性鼻炎では一般的な薬物療法のほか、5歳以上のお子さんにはスギ花粉、ダニに対する舌下免疫療法を行っています。

  • 夜尿症、便秘症

    夜尿症は成長とともに頻度は減少しますが、就学前には約20%、小学校低学年で10%台、高学年の5%、中学生の1-3%ほどに夜尿がみられます。基礎疾患の有無の評価を行い、生活指導と薬物治療を中心に診療を行っています。お気軽にご相談ください。

    便秘症では基礎疾患の有無の評価と、これまでの排便時の様子や便性の確認を行い、年齢や画像検査結果に応じて、生活指導や浣腸、薬物治療を選択しています。

  • 繰り返す頭痛、長引く頭痛

    頭痛の原因は多岐にわたるため、見逃すと危険な頭痛をはじめとした原因の評価を行います。一方、繰り返す頭痛や長く続く頭痛には、日常生活に影響する片頭痛と緊張型頭痛があるため、これらを区別していく必要があります。

    片頭痛は薬物療法が比較的有効ですが、思春期の月経関連片頭痛は持続時間が長く、痛みが強く、治療が効きにくいため注意が必要です。緊張型頭痛は心や体の疲れが影響しやすく、生活習慣の見直し・改善をはじめとした非薬物療法が重要となります。

  • 心身症(起立性調節障害、過敏性腸症候群、不登校)

    心身症は発症や経過に「心理・社会的因子」が影響する「身体の病気」です。当院では日本小児心身医学会ガイドラインを参考に診療しています。

    お子さんとご家族が病気について理解できるように話をし、身体の症状をやわらげるよう薬物療法などを行っています。お子さんが自身の気持ちを表出できるような成長を、小児科医として支援したいと考えています。